中国語の種類・繁体字・簡体字・方言はいくつあるの?

中国語と一言でいっても、実は種類がたくさんあるんです。

今回は中国語を学びたいみなさんのために、“中国語ってそもそも何?” というところからお話ししていきますね。

⒈中国語の標準語と方言

中華人民共和国は日本の約25倍もの面積があり、漢民族のほか50以上の民族から構成されている多民族国家です。

そのため、各地域の言葉を他の地域の人に話しても、通じないのです。

そこで、みんなに通じるように標準語として「普通話」(プートンフア) が定められています!

※わかりやすく言うと、日本では関西弁と東京弁だいたい意思疎通ができますが、沖縄弁や津軽弁となると、よそ者は外国語のように理解できないですよね。

こういったことが中国本土・中国語圏では頻繁に起こります。

ですので、中国人ネイティブでさえ共通のコミュニケーションツールとして「普通話」を学んでいます。

中国語圏では、“80后”や“90后”と呼ばれる80年代・90年代以降に生まれた若者世代の多くの人が、標準語と方言のバイリンガルです(笑)

「普通話」 は厳密に言うと首都北京の方言である「北京語」とは異なるのですが、
中国留学情報によると、標準語は北方言語の語彙と北京官話の発音をベースにして作られています。

そして、私たち日本の中国語教育ではこの「普通話」を習います。

つまり、日本で指す中国語というのは、たいていのケースは「普通話」「北京語」を指しています。

日本で習った中国語を中国や台湾でそのまま使うと「北京っぽいね〜」とよく言われました!

我々が習う中国語「普通話」は、基本的には中華圏のどこでも通じるので安心です。

まとめると、“中国の標準語とは「普通話」で北京っぽい印象”

このような感じです。

⒉中国語の種類は何種類?

中国語はかなり広い地域で使用されているため、方言がたくさん存在します。

地域や世代によっても言葉が異なるため、中国語は「◯種類!」と言い切ることは難しいです。

しかし、主に地域ごとの「七大方言」に分けられています。

1. 粤語(広東語)

2.北方語(官話方言)

※北京語もこの一部であり、中国の標準語の「普通話」にいちばん近いです。

3.呉語(上海語など)

4.贛語(南昌語など)

5.湘語(長沙語など)

6.閩語(台湾語など)

7.客家語

七大方言の中にも「広東語」「台湾語」のように「◯◯語」という言葉が数え切れないほど存在します!

さらに、標準語として定められている言語を指す言い方が地域により異なります。

中国大陸→「普通話」

台湾→「国語」

シンガポール・マレーシア→「華語」

と言います。

複雑ですね…

そして、中国語の文字は2種類あります。

※3.で説明していくことにします。

方言によって発音が異なりますが、文字表記は2種類で、文章言葉にはあまり差がないため、中国語圏のYou Tubeやテレビ番組には漢字の字幕が付けられて放送されることがほとんどです。

字幕を見て内容を理解する慣習が日本にはないので、面白いですよね! まとめると、中国語を何種類と言い切ることは難しいです。たくさんの発音や言葉が存在します。

⒊中国語の簡体字と繁体字の違いは?

中国大陸では、旧字体を簡略化した「簡体字」が使われています。中国の他にも、マレーシアやシンガポールでも使用されています。

私たち日本人も、学校の中国語教育では基本的にこちらを習います。

簡体字は “へん” や “つくり” の画数が少なく、慣れると書きやすいです。

一方で、台湾やマカオ、香港で使われているのが「繁體字」です。

繁体字は、旧字を書き崩さない伝統的な美しい文字です。

特徴は、簡体字に比べて圧倒的に画数が多く、簡体字や日本語の漢字とは全く異なるものも存在します。

※左側が簡体字、右側が繁体字です。

电车→電車 (電車)

学习→學習(学習する)

机场→機場(空港)

继续→繼續(継続)

台湾→臺灣(台湾)

中国大陆→中國大陸(中国大陸)

まとめると、

簡体字(中国)→日本の漢字→繁体字(台湾)

の順に画数が増えていくイメージです。

⒋台湾語と中国語は違うの?

ズバリ、台湾語と中国語は違います。

厳密にいうと、どちらも中国語なのですが、私たち日本人が指す中国語は2.で説明した “北方語” に属する「普通話」だとしたら、台湾語は “閩語” に属する「台湾語」です。

台湾語は、台湾の標準中国語である「国語」とも大きく語彙や発音が異なります。

台北ではほとんどの人が中国語を話せますが、台湾中部や南部に行くほど台湾語話者の人工が増えます。

台北出身の若者だと、国語しか話せない人も多いですが、台南や高雄には台湾語とのバイリンガルの若者も多く存在します。

逆に、台湾中部や南部お年寄りは、台湾語しか話せなかったりします。

そもそも、台湾では標準語として定められている「国語」も、中国大陸の標準語「普通話」とは語彙や言い回し・発音などが若干異なります。

イメージとしては、“アメリカ英語とイギリス英語の差” 程度の違いにたとえられることが多いです。

台湾人と中国人は基本的にはコミュニケーションがとれます。

また、台湾と中国の標準語で大きく異なる点が、発音記号の表記です。

中国では発音をアルファベットで表記する“拼音” ピンインが使われています。。

一方で台湾では“注音符号”ㄅㄆㄇㄈ(ボポモフォ)という文字が使われています。

一見、台湾のひらがなのようなものですが、知らなければ全く読めません!

まとめると、

・「台湾語」と「中国語」は全く別の言語である。

・中国の中国語と、台湾の中国語は若干異なる。(意思疎通は可能) と言えます。

⒌まとめ

いかがでしたでしょうか。

中国は広く、たくさんの方言が存在します。

中国語を習いたい人には、まずは話者人口も多くどの地域でも通じる「普通話」がおすすめです。

その後、趣味や目的に合わせて各地域の言語にも触れてみるのが楽しいですよ!

例えば、台湾旅行によく行くのであれば台湾の言葉を勉強してみたり、香港映画を楽しみたいのであれば広東語を学んでみるのもいいかもしれません。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!